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[書評]藤原和博氏「新しい道徳」

新しい道徳 (ちくまプリマー新書)
藤原 和博
筑摩書房
売り上げランキング: 24904

あんまりやらない著者名買いをした一冊。元リクルートで現在は公立中学の校長という経歴の藤原和博氏が、どんな「道徳」論を展開しているか非常に興味を感じて思わず購入。結論から言うと、非常に面白かった。

身近にずっと教職をやってきた人がいるが、その生きてきた世界の中だけで判断しているので、民間で仕事をしている立場からすると何を言ってるんだ、 と思ってしまうことがある。逆にその立場でないと判らないこともきっとあるのだろう。藤原氏はどちらの立場も経験しているわけだから、その言葉に重みがあ るし説得力もある。こうした意見が少しでも多くの教育の現場に取り入れられるのを祈るばかりだ。

中学校で習う主要科目(英数国理社)の総授業時間は年間400時間だそうだ。中学生の平均TV視聴時間が1日2時間15分(ベネッセの調査)だか ら、年間800時間を軽く越えている。こうして数字で比較されると判りやすい。そりゃTVの影響が大きくなるに決まってる。「だからTVが悪い」のではな く、「そういう現実をまずは理解しよう」と言っているのがいい。

「総合学習」についての話題も面白かった。アンケートで7割の教師が「総合学習は不要」と回答しているのに対し、「総合学習を教えられない教師が7割もいるということだ」とバッサリ。我々の世代は知識を詰め込み正誤を試験するような教育をずっと受けてきた。そういう詰め込み教育の成果のみを「学力」 とするから、「ゆとり教育で学力が下がった」という主張がまかり通るのだろう。総合学習は、答えが一つではない、○×を簡単に判断できないことを学ぶのだという。ちゃんとした「総合学習」を受けている子供達がうらやましい。そういう子供達がいずれ大人になり、次の日本の未来図を描いていくのだろう。


※追記
考えてみたら、「ちゃんとした総合学習」を受けられていない生徒が7割いるということだ。うーん…それは…。

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